NPO日本少年少女オーケストラ協会NEWS 2023年1月号 通算460号
http://k-onebiz.com/gjo/gjo_index.html
新事務局:群馬県高崎市昭和町3-1 シャルマンコーポ高崎303
左上から、新宿国際&渋谷ジュニア合同(12月18日) 群馬セントラル(玉村町12月19日)・前橋(12月21日) 高崎市少年少女(12月22日)・安中(12月23日) 全国のジュニアオーケストラでクリスマス週間が開かれました。コロナの規制もいくらか落ち着いてきましたが、まだまだ厳しい状態ですが、新入団員たちも元気よく初のクリスマス会に参加されて、お友達が出来たようです。 今年は協会設立40周年の記念の年ですので、初心に戻りいろいろな事に挑戦していきたいと考えています。
第2章 バブル時代 “黄金時代” 1985年~
オーケストラを設立したら、まず考えなくてはいけないのが楽器と演奏会です。バイオリンを始めたばかりの生徒たちだけのオーケストラですが、当時の私が一番知っていて目標としていたオーケストラは「ウィーンフィルハーモニー」だけでした。知らないと言うことは恐ろしいですね。初演奏会の指揮者は当然プロでと考えて、ウィーンで友人であった小原全氏(玉川学園創設者小原圀芳の孫)にお願いしました。最初の練習に彼が太田市に来た時に当時1億円もするフェラーリで太田市にやって来て、レストランで夕食の後にお酒を飲んでいたので、代行をお願いしたら代行の方が「この車は運転できません」と嘆いていたのが思い出します。彼は現在もブラジルやロシアなど世界中のプロオーケストラを指揮しています。
演奏会の後に今後のオーケストラの活動について相談をすると、彼から「一般の人にも理解されるような目標を持って活動する事が大事」だと言われて、ちょうどNHKテレビで話題になっていた「第九を歌おう」 の事を話すと「それでもいいんじゃないか」とアドバイスをもらって、第九の演奏の難しさを理解していなかった私は、翌日には都内の楽譜専門会社に電話を入れて発注しました。確か費用は10万円ほどでした。 そして演奏に必要なテインパニーやコントラファゴットなどの高額な楽器をどの様に購入するかをゴルフで知り合った、地元の政治家秘書に相談したところ、大正6年(1917年)に中島飛行機会社(現富士重工業)の創業者で軍需大臣も務めた地元の名士中島知久平の息子で衆議院議員の中島源太郎先生を紹介して頂きました。
中島先生は慶応大学の付属幼稚園時代からピアノに親しまれて、少しは音楽の素養があったので、私が東京の自宅を訪ねると非常に喜んで下さり、二つ返事で団長を引き受けて頂けました。その時の条件が同じ地元出身で自治省事務次官を退任したばかりの石原信雄氏を団の相談役にして欲しいとの事でした。この人事が数か月後にオーケストラに大きな収穫をもたらす事になりました。1985年の竹下内閣に於いて中島先生が文部大臣に、石原氏が内閣官房副長官として入閣が決まり、私たちの団から2人も入閣者が出てしまい世間では大騒ぎとなりました。おかげであっという間にご祝儀相場もあって数千万円ものオーケストラ支援金が集まり、 この費用で第九演奏に必要な楽器や楽譜類を全て揃えることが出来ました。この期間に私は首相官邸に2度、文部大臣室にも1度呼ばれて行きました。文部省の事務次官ともやりあってしまい、中島大臣に「私は文部省の事はよくわからないので事務次官に従ってください」と窘められました。その事務次官も1か月後には収賄で逮捕されてしまい全国ニュースで見て驚きましたが、複雑な心境でした。
1986年秋には、日本の国連加盟40周年の記念事業が日生劇場で開催されて、政治的な動きが有ったのかもしれませんが、平日にもかかわらず私たちのオーケストラが招待されて100名近くの子供たちが学校を公欠で休み演奏に参加しました。各国の大使に混ざり、来賓として第3次中曽根内閣の中曽根首相、美智子妃殿下が来場下さりました。2人とも群馬県に所縁のある方です。司会は榊原郁恵さんで挨拶をしたら身長が低いので驚きました。楽屋に入る時に、一人一人の持ち物検査が厳しくて子供たちの楽器も全て開けられていました。子供たちや引率した保護者達は初めての東京での大舞台に大変満足した様子でした。
1988年太田市制40周年では太田市から演奏会に特別な予算が付き、また元文部大臣が来賓として来場され満席に近い会場で第九演奏会を太田市民会館で無事に全楽章を演奏する事が出来ました。第九の合唱団は2年前から練習を開始しましたが、当時の太田市内で活動している合唱団に第九演奏の依頼に出向くと「私たちは群馬交響楽団と第九を演奏するのでアマチュアの演奏には参加できないし、まして子供たちのオーケストラとなんかと歌えない」と言われてしまいました。自分たちのレベルも考えないでよくそんなことが言えるなとは思いましたが、オーケストラの保護者を中心に合唱希望者を募り、私がドイツ語の発音を指導したりで子供たちと保護者の両方を指導する毎日でした。また弦楽器の指導は群馬交響楽団の方たちは「私たちも弾けないのに初心者の子供たちが弾けるわけがない」と最初から断られてしまい、私は意地になって東京から音大生たちを呼び寄せて我が家に宿泊させて練習に明け暮れていました。本番には合唱団の人数がもっと欲しいと指揮者からの要望で埼玉県の第九合唱団をバス2台で参加してもらいました。この大事業も心無い県内の音楽家からは「ベートーベンを侮辱している」と面と向かって言われて唖然としました。
第3章 海外交流 ”アメリカ公演“ 1989年~
第九演奏会を企画している時点で、音楽界や一部の政治世界では、私たちの計画が話題になっていた様で各方面からのアプローチがありました。中でも政治家たちが海外へ出かける時のご用達の旅行専門会社の1つがキャピタル東急ホテルに有り、そこの社長さんと息が合って以後2000年のカーネギーホール公演まで いろいろとお世話になりました。しかし1989年当時は、まだまだ子供たちが海外へ出かけるのは大変珍しく農協のおじさんたちが団体旅行で欧米に出かける程度でした。そこで1年前の第九演奏会後に通訳の牧師と保護者代表と旅行先の太田市の国際姉妹バーバンク市・ロサンゼルス州(ローキード本社・デイズニー本社)とミシガン州フリント市(100年以上の歴史がある私立音楽学校)に視察に出かけました。
バーバンク市は、戦時中に世界1のロッキード社と世界第2の中島飛行機会社との縁で国際姉妹都市が結ばれたそうですが、オーケストラはなく、地元のアマチュア合唱団が共演する事になりました。フリント市は私の希望で、通訳の牧師さんが直接アメリカに電話をかけて訪問を伝えただけでしたので、最初は冷たい反応でしたが、持参した第九演奏会のビデオを見せて一緒に第九演奏の提案をした所態度が大きく変わりました。以後彼らの交流先のパリの青少年オーケストラを紹介してもらいパリ公演も3度行い、2000年にはカーネギーホール公演も実現する事になりました。
この視察旅行ではフリント市の視察の後に、牧師さんが予定にないスコットランドの青少年オーケストラ 訪問を提案して来て、ミシガン、ニューヨークからロンドン、スコットランドと飛び、まさに飛び込みでグラスゴーのスコットランド青少年オーケストラの事務局に十数時間かけて行きました。事務局長のチェスター氏は急な訪問にもかかわらず、ホームステイーを提案してくれて、夕方には500年前には家畜小屋だったと言う石作の家に我々を連れて行き、「夕食前にゴルフ、水泳、テニスのどれをやりたいか?」と聞かれて流石に長旅で疲れているのでテニスでお願いしました。6月のスコットランドの夜は11時過ぎまで明るくて驚きました。後に知ったのですが、彼は英国のプリンスと寄宿舎学校で知り合いの仲で、元BBCスコットランド交響楽団のフルート奏者でした。数年後に来日した時、女王からの手紙を持参して皇居を訪ねました。
1989年の日本はバブル時代でもありましたが、アメリカ公演の為の正月特別合宿を伊勢崎市の青少年育成センターで開催しました。そこに飛び込んできたのが昭和天皇崩御のニュースでした。指導にはアメリカ公演で指揮者を務める堤俊作氏(平成天皇の学生時代からのオーケストラ指導者)が初めて指揮に参加されて、 指導者陣はとても緊張した思い出があります。演奏のバランスで、ビオラとコントラバスが足らないと言うことでアメリカ公演には桐朋学園の学生を数名同行することになりました。コンサートマスターには戸澤哲夫君(当時前橋高校2年・後に芸大・大学院・東京シティフイルハーモニーオーケストラ、コンサートマスター)が、担当して同じく芸大附属高校2年に在学していた岸川由起子(ファゴット・芸大卒業後に南西ドイツ交響楽団)も参加していました。この合宿に参加したメンバーの多くは1期生であり、合唱団や同行者を入れて180人の大所帯の演奏旅行となり、バブル時代の思い出として記憶される出来事でした。
12月20日 伊福部昭記念ジュニアオーケストラ(北海道音更町) 12月23日 さいたまジュニア
12月23日 さくらジュニア(小平市) 12月24日 所沢ジュニア 12月24日おやま&しもつけ
今後の活動予定
2月 5日(日) 玉村町音楽フェステイバル(玉村文化文化センター)
群馬セントラル&レオクラブ
2月12日(日) ぐんまジュニア練習日(高崎市中央公民館集会ホール) 児玉先生
3月11日(土) さいたまジュニア第1回演奏会(さいたま市ノースプラザ)
さいたまJr.&有志
3月18日(土) 東北チャリテイー演奏会(宮城県東松島コミュニテイーセンター)
レオクラブ&金星少年少女?
3月19日(日) 東北チャリテイー演奏会(宮城県気仙沼市商業施設「ないわん」)
3月22日(水) 日中架け橋コンサート(高崎市文化会館) 高崎市少年少女&ぐんま
ジュニア&有志
3月25日(日) 愛媛県青少年オーケストラ第4回演奏会(愛媛県新居浜市ホール)
3月26日(日) バンコク参加者の為の特別練習会(高崎市中央公民館集会ホール)
希望者
3月30日~4月4日 バンコク交流公演(タイ・バンコク市) 希望者のみ
(現地集合・解散) 1月末締切
4月15日(土) ライオンズクラブ年次大会演奏(伊勢崎文化センター)
レオクラブ&有志
4月16日(日) ぐんまジュニア練習(高崎市中央公民館集会ホール) 未定
5月14日(日) ぐんまジュニア練習(高崎市中央公民館集会ホール) 未定
6月 4日(日) ぐんまジュニア練習(高崎市中央公民館集会ホール) 田尻先生
7月 9日(日) ぐんまジュニア練習(高崎市中央公民館集会ホール)田尻先生
7月 25日~27日 初級中級クラスの合宿(はまゆう山荘)
8月8~10日 40周年記念演奏会の為の特別合宿(はまゆう山荘)
8月10日(木) 40周年記念演奏会(高崎芸術劇場) 指揮者:篠崎 史子・
バイオリン独奏:広津留 すみれ・ゲストコンマス:篠崎 功子
曲目:白鳥の湖(組曲)・スラブ行進曲・バイオリン協奏曲(チャイコフスキー)
2024年春休み 香港デイズニーランド&珠海公演・2025年 大阪国際万博
2026年春休み ヨーロッパ公演(チェコ・オストラバ市の新ホールオープン演奏会)
「ジュニアオーケストラの夜明け」(仮称) PDFはこちら
|