NPO日本少年少女オーケストラ協会NEWS 2023年8月号 通算467号
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新事務局:群馬県高崎市昭和町3-1 シャルマンコーポ高崎303
8月21日(月)前橋市のしょうび第2幼稚園で、群馬Jr.オーケストラレオクラブが演奏しました
第12章 ①“ヨーロッパ交流・アルバニア編”
私たちの海外交流は、アジアに留まらずヨーロッパ各地との交流や演奏会も開催して来ました。
なかでもアルバニアの音楽学校との交流は貴重な経験でした。アルバニアとの交流のきっかけは、日本にアルバニア大使館が出来たニュースを年末のラジオで聞いたことでした。年が明けて早速大使館に電話をしてみると、日本語が上手な大使みずから電話に出て、どのように大使館を知ったのか、なぜ電話して来たのかと聞かれました。 とにかく大使館に来て話を聞きたいとのことでしたので、大使館の場所を聞いて、2,3日後に出かけて見ました。
出かけてみると一般的な大使館とはまるで違う、東銀座の築地市場のすぐ近くのビルの一画にありました。
受け付けも無く、大使1人だけの大使館でした。理由を聞くと日本に赴任したばかりでアルバニアの経済状態も良くないので大使館もこれでギリギリだと説明を受けて、少し同情してしまいました。彼は学生時代に日本の大学へ留学していたそうです。早速アルバニアとのいきさつを聞かれて、私がウィーンへ留学している時に夏休みに友人たちとギリシャまでヒッチハイクで行ってみようと友人たちとユーゴスラビア(現モンテネグロ)の海岸の一番端の街まで行きましたが、アルバニアは当時鎖国状態で入国できなかった為に、ギリシャ行きを諦めた経験があり、いつかアルバニアに行ってみようと考えていたと説明をして、現在子供のオーケストラを指導しているのでアルバニアの音楽学生たちとの音楽交流の希望を伝えました。大使はその場でアルバニアの音楽学校の校長先生に連絡をしてくれて、1週間後にはその春休みに数人の生徒を連れて、アルバニアへ行くことが実現できました。
2006年、モーツアルト生誕250年(1756年~1791年)でウィーンはお祭り騒ぎで、子供たちを連れて私の母校の「ウィーン国立音楽大学」を見学して、モーツアルトの先生だったサリエリ先生が設立したことなどを説明しました。ウィーン経由でわずか1時間、アルバニア共和国の首都テイラナの空港に着きました。空港のイミグレーションでは、事前に大使館でビザをもらって来たにも関わらず、制服の係官に囲まれて、子供たちと別室に連れて行かれて質問を受けました。幸いドイツ語が何とか通じて、招待してくれた音楽学校の校長先生に係官と電話が通じて迎えに来ていることもわかり、空港から出ることが出来ました。
市内に向かう車の中で、英語通訳の女性の案内で町を案内されて、道がデコボコなのに驚きながらも40,50分で町の中心部の中高音楽学校へ着きました。ホームスティで受け入れを希望していましたので、生徒たちと別れて私はバイオリン女子学生のアパートに連れて行かれました。問題は英語がほとんど通じなくて、イタリア語かアルバニア語でしたので、ほとんどジャスチャー?みたいな会話でした。アパートの外見は半分崩れ落ちそうな建物で ショックを受けましたが、中に入るとビックリするほど綺麗で、また広くて外見との違いに驚きました。
滞在数日後に、バスでホームステイーの子供たちと一緒に地中海に面したアドリア海の港に行きました。バスの中でやっと校長先生がドイツの音楽大学で作曲を勉強したことがわかり、お互いにドイツ語が通じる事を知って、急に仲良くなりました。ドイツ語のあなた(Sie)でなくておまえ(Du)で会話を始めました。ランチには日本人の為に焼き魚が出ました。その時に群馬からの中学生団員の男の子が、なんと持参した醤油を出して焼き魚にかけてくれて感動しました。アルバニアの皆さんは醤油の存在を知らなかったようでしたが、美味しいと喜ばれました。その翌日には、ホームスティー先の大きな家で私たちが食事を作ってお礼のパーテイーを開催しました。その日は、朝から市場に買い物に行きましたが、野菜は路上で販売していました。お肉を買うのが一苦労でした。大きさが通じなくて、ジェスチャーで適当な大きさに肉を切ってもらい15人分のカレー何とか作ってご馳走しましたが、アルバニアではカレーは皆さん食べたことが無くて驚いていました。普段の食事は基本的にイタリアが近くてピザ、スパゲッテイ―などです。テレビはイタリアの放送が映っていて、アルバニアのチャンネルは国営テレビだけのようでした。他にはヨーロッパ資本からのカフェや教会など新しい建物もいくつか建てられていました。
ヨーロッパでも一番貧しいと言われていましたが、音楽初め芸術に関してはロシアの影響で、非常にしっかりした基盤があり、この音楽学校卒業生からはウィーンフイルハーモニーオーケストラのメンバーやイタリアのオペラ座にバレエダンサーが所属しています。またテイラナオペラ座も連日のように開演していて、私も生徒の親がそこの楽団員なので言葉はまるっきり理解できないでしたが、第二次大戦中の物語のパルチザンのオペラを鑑賞しました。日本人の指揮者も時々公演に来るそうです。
その後、日本へも校長先生ご夫妻が2度来日されて、日本の生活に大変感動して日本に住みたいと真剣に言われてとても困りました。奥様はオペラ歌手で、私たちの国際ジュニアオーケストラフェステイバルで校長先生のジョバンニの指揮で奥様が歌ったこともありました。また、この校長先生の縁でアルバニア国立音楽学校へ私の娘がバレエで、姪がビオラで1年間中学生時代に留学することが出来ました。言葉も習慣も違うので貴重な人生経験だったと思います。
②“ヨーロッパ交流・チェコ編”
チェコとの交流は、群馬県の月夜野町のジュニアオーケストラが国際交流として、国際姉妹都市のチェコの田舎町 ブロッド町に月夜野ジュニアの子供たちを連れて行ったのがきっかけです。そこで通訳をしてくれたプラハの女子大学生のおかげで、チェコの作曲家やナーチェックの故郷オストラバ市のオストラバ市音楽学校の子供たちとの音楽交流をすることになりました。当時はやはり英語が出来る現地の方が少なくて、英語が出来るVladimir君が積極的に交流を進めてくれたおかげで、何度もオストラバ市へ行くことになりました。東日本大震災後に大勢で交流に訪れた時には、国営のチェコテレビが、何台ものカメラで密着取材をしてくれて、1時間番組として後に放映されて本当に驚きました。現在も交流が続いており、数年前には高崎市まで彼の仲間のアマチュアオーケストラを連れて私たちの演奏会に参加して、高崎市野高齢者施設での慰問演奏にも行かれました。数年後に完成予定のオストラバ市の新しいホールのこけら落としに交流演奏会を開催しようと約束をしています。2026年の予定です。
その他にもプラハの音楽学校の指揮科の学生ヤン君は、お父様が以前日本のオーケストラ(金沢フイル)のコンサートマスターもされていた方で、ベルリンフイルからもオファーが来たほどの演奏家でした。国家演奏家の称号を持っていました。その彼と田尻先生の指揮で2008年春に、プラハのスメタナホールで、ベートーベンの第九の終楽章とトリプル協奏曲を演奏しました。その時の3人のソリストはプラハの春音楽コンクールで優勝したチェコ人のバイオリンとチェロの若者とウィーンフィルのチェロ奏者の息子さんでした。演奏会当日には、ウイーンフイルのチェリストのお父さんがわざわざプラハの会場まで来てくれて私たちも感動しました。合唱団は須田先生のソプラノ独唱と太田第九合唱団が参加しました。もちろん足らないパートは、現地のプラハの音楽学生とドイツからのボランティア合唱団でした。
私は留学時代に、何度か友人たちと観光にプラハやブダペストに旅行に行きましたが、チェコやハンガリーの東ヨーロッパの街は冷戦時代の影響で非常に暗い町でした。しかし音楽はとても盛んでオペラやコンサートは毎日開催されていました。また物価がウイーンの10分の1ぐらいでしたので、私たち学生にとっては天国のようなもので、楽譜などを大量に買い込んだり、ワインやお菓子をたくさん買ってきた記憶があります。懐かしい思い出です。
最近では、2013年のウィーン楽友協会ホール公演の後で、スメタナの故郷のリトミシュルで演奏会を開催しました。わが祖国を作曲したスメタナの故郷は小さな町ですが、とても合唱が盛んな町で私たちのオーケストラと一緒に歌ってくれて、リトミシュルの市長さんも喜んでくれました。機会が有ればまた行きたい街ですね。
今後の活動計画(9月~)
9月30日(土) ベトナム・ハイフォン交流演奏会(ハイフォン市・イオン)
9月30日(土) 日本韓国交流コンサート(音楽センター)
大竹先生・里見先生・モネちゃん(中1)出演
10月7日(土) ロータスヴィレッジ慰問演奏(伊勢崎市)
10月8日(日) 玉村北部公園演奏(群馬セントラルJr.)
10月8日9日 おやまJr.&しもつけJr.合宿(那須Sガーデン)
10月15日(日) 所沢市音楽祭(所沢市アークホール)所沢Jr.
10月21日(土) ぐんまJr.練習日14時より(高崎市中央公民館) 平川先生(ベト7・ドボ8ほか)
10月21日(土) 18時から高崎市少年少女オーケストラ体験修了式&発表会18時より
(高崎市中公民館)
10月30日(月) 韓国・光州市青少年オーケストラ演奏会 写真:光州市教育会館(韓国)
11月5日(日) 前橋市ルナパーク遊園地コンサート(前橋Jr.他)
11月12日(日) ぐんまJr.練習日(高崎市中央公民館・児玉先生)
12月16日(土) ぐんまJr.練習日(高崎市中央公民館・平川先生)
12月24日(日) 安中Jr.25周年「クリスマスコンサート」安中文化センター
12月25日~1月6日 ヒマラヤ青少年交流合宿(ネパール)参加者募集中
(締め切り:10月10日まで)
写真:ナガルコット(合宿予定地・カトマンズ市郊外の避暑地)
1月14日(日) ぐんまJr練習日(高崎市中央公民館・指揮者未定)
1月28日(日) さいたまJr.体験会&コンサート(さいたま市・ノースプラザ)
2月17日(日) ぐんまJr.練習日(高崎市中央公民館・指揮者未定)
2月24日(土) ヒマラヤ青少年交流演奏会(ネパール)参加者募集中
2月28日(水) 台湾青少年オーケストラ交流演奏会(高崎芸術劇場・音楽ホール)出演依頼あり
3月30日(土)~4月1日 ライオンズ・レオ活動 東北慰問演奏旅行(詳細未定)
3月31日(日) 金星少年少女オーケストラ演奏会参加(花巻市文化会館)
4月20日(土) 333D地区年次大会演奏(桐生文化会館)
5月18日(土) 333複合年次大会(前夜祭コンサート)夕方30分程度(太田市冠稲荷ホール)
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